本サイトは,2002年12月26日に開設していらい,主にコンピュータで朝鮮語を扱う際のメモをまとめたものとして内容の補充を続けてきました.当初の予定としては,(1)コンピュータで朝鮮語を扱う(TeXやPDFを含む),(2)朝鮮語のPDFを作る,(3)その結果物としてのファイル公開,というように,コンピュータに関する方面を優先して,内容を拡張していくつもりでした.ところが,朝鮮語に関する方面,すなわち朝鮮語広場の拡張を続けていくうちに,(1)古代朝鮮語,特に釈読口訣に関する内容,(2)その結果物としての電子化された資料の公開,といった部分に比重が置かれるようになりました.
覚え書きについても,当初予定していたフォントについて,朝鮮語(中期朝鮮語含む)でTeXやPDFを作成するための一連の文書までは作成・公開しました.あとはその他のトピックについて拡充していくだけですが,現在更新がストップしている状態です.
開設から1年がたった今,改めて本サイトの「売り」は何か?ということを考えてみると,現在のサイト構成と内容から見て,朝鮮語に関する方面がメインであると言わざるを得ません.ただし,それは当初の目的から全く外れている,というわけではなく,コンピュータと朝鮮語という二つの柱のうち,比重が若干変わってきただけのことです.というのも,管理者本人が,コンピュータについては門外漢であって(朝鮮語も似たようなもんですが),それほど詳しいことが述べられないからです.けっきょく,管理者の関心に沿ってサイトの拡張を続けた結果,朝鮮語に関する方面に重きが置かれるようになったというわけです.
ただし,コンピュータに関する方面も,やはり本サイトの柱であることには変わりありません.Webページという媒体の性格上,「朝鮮語に関する情報をWebページとして公開する」=「コンピュータで朝鮮語を扱う」ということになるからです.本サイトで公開している電子化資料がいい例でしょう.朝鮮語,特に中期朝鮮語に関する資料を電子化する際に,どのような技術を用いて,どのように作成し,どのように活用するか(これはまだあまりできてませんけど)といった点を実験した(あるいはしている)結果といえます.最近アップロードした舊譯仁王経XMLファイルと舊譯仁王経 口訣字索引は,電子化資料を活用した事例に該当するでしょう.
また,本サイトで扱う古代朝鮮語,特に高麗時代の釈読口訣については,韓国の学会で主要なトピックとなってはいるものの,現在日本語で入手できる情報というのはかなり限られている状況です.試しにGoogleなどの検索エンジンで,「口訣」という単語を検索してみてください.朝鮮語史における口訣を扱った日本語のWebサイトがほとんどないことが分かるはずです.ごく少数でしょうが,朝鮮語のこういった分野に関心がある人のために,Webを通じて関連した情報を発信していくことは,少なからず意義のあることと考えます.
けっきょく,扱う内容としては朝鮮語がメインではありますが,その情報発信の手段として,コンピュータを抜きにできない,というわけです.
以上の点を踏まえ,本サイトの趣旨を簡単にまとめれば,「朝鮮語,特に古代朝鮮語や中期朝鮮語に関するトピック(概説や資料)を,コンピュータを用いてWebに発信する」といった具合になるでしょうか.「発信する」というと大仰ですが,これまでのとおり,あくまで覚え書きとかメモ,といったスタンスは変わりません.(管理者本人も含め)朝鮮語に関心のある人々の,便宜を図るという目的で更新を続けていきたいと思います.
本サイトの方向性に沿うように,内容の配列順序なども少しずつ変更していく予定です.また,極力利用しやすいサイトを心がけていきますが,何かよい提案があればいつでも管理者にお知らせください.よろしくお願いします.