すべて巻子本あるいは折帖本.吐は文献の始めから終わりまで,忠実に記入されている.その言語は非常に保守的で,古い言語を反映している.13世紀後半の楞厳経に記入された順読口訣と比較した場合,楞厳経の口訣は15世紀の言語よりもかなり先立つ古形を示すが,高麗時代の釈読口訣よりは改新された文法である.けっきょくこの二つが時代的に直接つながりを示さない点から,釈読口訣がかなり古形を保存しているといえる.
以下の記述は主に南豊鉉(1998),南權熙(1997)を参考とした.
答彼経文義 欲現随機設教不同 非是欲明仏性多種也 此義中若破経文者 或有[如]仏性[隠]闡提人[隠]有[豆亦]善根人[隠]旡[如好尸丁] 或有[如]仏性[隠]善根人[隠]有[豆亦]闡提人[隠]旡[如好尸丁]等云也 此且持決言徳意 釈涅槃四句文 不是正義也
釈読口訣は読字+仮字の構造となっており,郷札表記と一致する.この点からも,釈読口訣が母体となって郷札が発達したと考えられる.
朝鮮時代の仏典に,順読口訣に混じって釈読口訣が見られる場合がある.その場合逆読点はなく,一,二,三,…のごとく数字で配列が示される.
以下では特に断わらない限り,主に李丞在(1993)を参照した.
以下は南権煕(1997)からの記述.
以下は박진호(1996)からの記述.
口訣についての参考文献を参照のこと.