釈読口訣の読法についての解説です.例文の略号はそれぞれ以下の通り.
- 구인... ≪旧訳仁王経≫ 上巻
- 유가... ≪瑜伽師地論≫ 巻20
- 화엄... ≪大方広仏華厳経≫ 巻14
- 화소... ≪大方広仏華厳経疏≫ 巻35
- 금광... ≪金光明経≫ 巻3
例えば「(구인02:01-03)」の場合,≪旧訳仁王経≫の2張1行目から3行目ということになります.各資料の詳細については
口訣資料についてを参照してください.
基本事項
*口訣吐は左右の行間に逆読点も含めて記入される.
*以下の例では行の右側に記入された吐を上付きに,左側に記入された吐を下付きで表記した.
- 復有他方不可量衆 (구인02:01-02)
(1) 基本的には上から下へ,右の行に吐のついた字句をまず読んでいく.左の行に吐がついた字句はとばす:
(2) 逆読点(「
」)が現われたら行の上方向へ戻る.このとき,これまでとばして読んできた,左の行に吐のついた字句(最も近いもの)へ戻る:
(3) 左の行に逆読点が現われた場合も同様にして,左の行に吐のついた字句へ戻る:
(4) 左の行に逆読点が現われなければ,右の行に吐がついた字句へと戻り,さらに下方向へ進んでいく:
*上述の内容を番号とともに示せば以下の通り:
- ①復 ⑦有 ②他方 ⑤不 ④可 ③量 ⑥衆
*さらに読む順に従って語句を配列すれば以下の通り(逆読点は省略):
- 復 他方 量 可 不 衆 有
音読と訓読
(作業中)
読法の例
*右図の中間部分,「有無量化仏」(구인02:03)を例に見てみる.
*この部分を上述の例と同様に転写してみれば以下の通り:
*基本的に(行の)右側に吐がついた字句から読んでいく.この例では「量」字.
*「量」字についている吐は
,すなわち逆読点であるため,このまま順番に読むのではなく,「量」字よりも上の字句に戻らなければならない.
*その場合,左側に吐がついた字句へ戻るが,この場合は「有」字と「無」字とが考えられる.
*両者のうち,「量」字に最も近いものに戻る,即ち「無」字.
*「無」字の吐には逆読点がないため,右側に吐のついた字句(未読のもの)へと進む.
参考文献
口訣についての参考文献 を参照のこと.